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2013年1月

2013年1月14日 (月)

願い

 八畳間のアパートの部屋でパソコンに向かう。ひと息つき、どんよりした気配をレースのかかった窓越しに眺める。置き時計は朝の九時三十分を過ぎるところだ。
──積もるかもしれないな。
 四、五センチを超えれば、車いすで町を行くのは、厳しいかもしれない。病院通いも、タクシーを使わざるを得なくなる。
 北国の人々の暮らしぶりのひとこまが眺めていたテレビに映っていた。
 長い髪の女のレポーターだった。ある家の風呂から上がって外へ出ると、二十秒で髪の毛が凍ったという。みてください、と髪の毛の根元のほうを持って、夜空へ向けた。ガチガチで、ロックバンドのX JAPANみたいな髪のかたちになっていた。
 北海道の知り合いがね、と身近で関わる人が言っていた。
「一日に、四、五回も雪かきしてるんですって」
「へぇ、そうなんですかぁ」
 医者の診断で自分のやっているリハビリなど、せいぜい十五分ぐらいだ。日々の体調のことも、病気のとき以外は、自分から伝えるのが基本だと思うが、たまにいつも向こうから異常なくらい事細かくたたみかけてきいてくる訪問介護の人もいて、
──病気持ちでも、認知症の爺さんでもあるまいし。なんだか、病院にいるみたいで落ち着かないな…。
 内科的にどこもわるくない四十五歳のオッさんは、胸のうちでつぶやく。いろんな人の介助を受けて生活するなかではこういう介護士との出会いもつきものだ。北国の雪かきと比べたら、手足が不自由な者には仕事のうち、と割りきれる気もしてくる。
 平成二十五年一月十四日、早いもので、年が明けてから半月である。
「今年の抱負は、なんですか」
 よく耳にする。このブログをかきはじめて何年になるのだろう。
──う~む。
 読み返して悩む。
 脳性まひ、という障害について、ふだん福祉に関わりのない人に知ってほしい、という思いがあった。
 それもだいじだけれど、福祉の現場はシビアである。自分が訴えたいことをもう少しかいていったほうがよさそうな気もしてきた。
「介護にたずさわる人たちの給料を、あげてほしい!」
「重い障害があっても、社会活動のネックになる生活保護を使わずに、地域生活ができるしくみを作ってほしい」
 重い障害や難病があっても、思う活動ができるようにするためだ。
「ならば、自分で作ったらいいだろう」
 と言われても、人にはそれぞれ、器があろう。あんぽんたん頭ではどうしたら実現できるかわからないので、その方面に得意な人にお願いしたい。
 この冴えないオッさんにできることは、なぜ、そう思うのかを、拙文で伝えるぐらいしか思いつかない。
 だれもが誇りを持って生きる。そんな社会にしていきたいからこそ、ひとりの人間としてのあるがままの心を、いくらかでもわかるよう伝えていく。そんな文をめざしたい…。

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