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2009年12月

2009年12月22日 (火)

音楽工房104の生演奏

 舞台の上で演奏している人は、音を料理する人で、みんなコックさんの恰好をしている。トランペット、バイオリン、ドラムなどの、
「おいしい音を召しあがれ…」
 音楽工房104(とよ)による生演奏を聴いた。仙台フィルハーモニー管弦楽団の団員を中心にしたアンサンブルで、知的障害のある人のスポーツや社会参加のためのチャリティーコンサートだ。
 知り合いの人が実行委員になっていて、誘ってくれた。
 夕方六時半から開演で、場所は太白区文化センター楽楽楽ホール二階である。ぼくのアパートから人が歩いて二十分ぐらいのところだ。
 玄関を出ると、ヘルパーさんが目をまるくした。
「この寒さ、半端じゃないっすねぇ!」
 ひょろりとした若い男のヘルパーさんが、外出の介助についてくれていた。
 平成二十一年十二月二十一日、考えてみると、あと十日で今年も終わりなのだ。
 部屋を出る前にみていたテレビの天気予報で、仙台市の気温は、零度といっていた。夕方五時半近くにアパートの玄関を出たが、外はすっかり暗くなり、風が吹くと、冷たい空気が耳にあたって少しいたかった。
 電動車いすの後をヘルパーさんについてきてもらい、二十分ぐらいで着いたが、ほんとに寒い夜だった。
 会場へ入るとホールのいちばん前の席に案内され、そこに電動車いすをとめて演奏を聴き入っていた。
 プロが奏でる生の楽器のリズムと音色が心地よい。
 コントもあった。ドラムの人がばちを落として、演奏家がみんなこけて、どっと笑い声が響く。必殺仕事人の曲を吹きながら、客席の暗いところから、トランペットの人が出てきて、歓声が上がった。
 客席の多くは、幼い子や小学生のいる家族づれだったが、ぼくもいっしょにその雰囲気を楽しんだ。
「特別な楽器がなくても、身のまわりにあるもので、音が出ます」
 ジュースのびんや、ペットボトルを吹いて鳴らすことはよくありそうだが、水道の蛇口に使うホースを吹いて、しっかりした音が出てくるのにはびっくりだった。ダンボール箱とひもと濡れたフキンの組み合わせから出る音もある。違った大きさのフライパンを並べれば、ドレミファの音になる。次々にくりひろげられる演奏者の実演に、会場の子どもたちも、興味津々だ。
 いつしかぼくの心も解き放たれ、子どもに返った。
 遊び心があれば、思わぬものから、思わぬ音が出る。
 そうか……。
 このメッセージは、少しくたびれ気味だったぼくへの、クリスマスプレゼントだ、と思った…。

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2009年12月 5日 (土)

どっきり怪現象?!

 部屋とキッチンのあいだの戸のガラスが急に鳴りだし、パーンと音が反対側のほうでした。
 それは平成二十一年十一月三十日、もう少しで午後二時半になるころだ。 
 読書に使っていた電気スタンドが首から折れて落ちていたる。ギョッとした。
 そのタイミングで、
「ドンドン」
 玄関の戸をノックする音がし、色の黒い三十代の男の人が、ぎょろっとした目でまばたきしながらあらわれた。間の抜けた声で、
「こんにちは~」
 ヘルパーさんだった。
 いま起こったできごとにぼくは茫然としたが、電気スタンドをよく見ると、もう使えない状態になっている。彼に処分を頼んだ。
「これって、いつ壊れたんですか」
 と聞かれ、いまです、と答えると、彼はさらにくわしく聞いてきた。聞かれたから、起こった順番に説明していく。
「えっ…。わたし、なんか、しょってきましたか?」
 彼のがっしりした体が、ちいさくなってふるえていた。
 映画のなかによく出てきそうなシーンになりえるのかもしれない。疲れていたりすると、ぼくだって、幻のようなものをみることは、たまにある。
 偶然が重なったためなのか、それとも霊なのか。人と話しはするけれど、だれもいなければ、何も考えないし、思わない。
 壊れた電気スタンドだって、障害者の施設にいたときの状況に合わせて買ったものだ。いまはそこを出て、アパートで暮らすようになり、本を読むときのセッティングも変わった。この電気スタンドでは使いづらくなっていた。そのうちいまの状況に合うものにかえようと思っていたので、壊れてちょうどよかったくらいだ。
 といって、午後になって、少しくたびれていたぼくのあたまには、一瞬ひやっときたのもたしかだ。霊がどうのこうのではなく、いきなりだと、なんでも、驚くものだろう。おかげで眠気がなくなり、パソコンの作業がはかどった。

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